ONE EYE OF GOLD 01
秋から冬にかけての空が、好きだ。
季節としては、秋から徐々に寒さを増して冬へと変わっていくこの時期。
冬が近づくにつれ、空気は冷たく澄んでくる。
それと同時に、真っ青に広がる遠い空が何となく好きで、私は学校へ行くと、必ず屋上へ足を運ぶ。
「……冷えるなー…」
寒さが増すにつれて、学校の屋上で昼休みを過ごす生徒が少なくなっている。
―――まあ、確かに、こんな寒空の下でわざわざ食事をしなくても、教室の暖房のもとの方が良いに決まっているのだが。
そんなことを考えながらも、最後の最後まで屋上に残るのは、いつも私だ。
(静かで、いいことだ)
持参したお弁当箱を傍らに広げ、しばし空を眺めている私。
騒がしい教室より、こうして閑散とした所で食事をする方が、私は好きだ。
この時期になると、今まで共に屋上で昼食をとっていた友人も教室で食べるようになる。
普通ならば、一緒に教室で食べるべきなのだろうが―――何分、友人も私も自立している。
だから私は、彼女と一緒にいるのかもしれない。
他に友人はいないのかと聞かれれば、普通に話す程度の友人はいるのだが。
気兼ねなく、自分の思うまま動ける友人は、彼女だけだ。
「―――……あ、そうだ。パソコン…」
暫くボーッと空を眺めていた私は、ふと鞄の中に詰めてあるパソコンを思い出して手を伸ばした。
昼休みになると決まって弄るのが、このノートパソコンだ。
私の通っているこの高校は、ノートパソコンの持ち込みを許可してくれている。
授業で各々使用したり、授業の合間にある休憩時間に弄ったり。
使い方や使うタイミングは人それぞれだが、私は決まってこの昼休みに、1人でゆっくり弄るのが決まりになっている。
「コンセントはー……いっか」
弄ると言っても、大したことはしないのだが。
兄さんか友人くらいしか送ってこないメールをチェックしたり、インターネットで暇潰しをしたり。
その程度だ。
鞄の中から、持参のノートパソコンを取り出して膝の上に乗せた私は、充電してある電池分でパソコンを開くことにした。
「……あれ?」
ノートパソコンの画面を開いて、電源のスイッチに指先を伸ばしかけた時、私は思わず動きを止めた。
―――電源スイッチが、点灯している。
電源をつけたまま閉じていたのかと考えて、ノートパソコンの画面を見ると、完全に起動していないのか、画面は真っ暗なままだ。
「昨日昼に早退してから、今日まで弄ってないはずなんだけど……」
真っ暗な画面を覗き込んで、何となしに話しかけてみる。
何だか虚しくなってくるが、1人しかいないので問題ない。
とにかく、私は昨日、あまりの気分の悪さに昼食を取らずに早退したのだ。
そして、帰宅してすぐに寝て、起きて―――ああ、この後の話は長くなるから、別にいいか。
まあ、つまり、昨日はパソコンの電源を入れるどころか、触れさえしていないのだ。
そうなると、一昨日のうちから電源をつけたままだったということになる。
もしかしたら、兄さんや舎弟さん達がつけていったのかもしれないが、まずこれは有り得ないだろう。
兄さんは自分でパソコンを持っているし、舎弟さん達はパソコンに興味がない。
あったとしても私のパソコンではなく、兄さんのパソコンを使うはず―――。
「……何で?」
少し困惑して、呟く。
その時、不意にノートパソコンの画面が明るくなった。
起動し始めたのだ。
(……まあ、動くならいっか)
それを見て安堵した私はそう考えて、苦笑した。
何をそんなに不審がる必要があるのか。
きっと、電源を消し忘れたままだったのだ。
昨日の“あの出来事”のせいで、神経が張り詰めてしまっているのかもしれない。
妙に―――印象に残る“記憶”だったから。
「……」
通常通りに起動したノートパソコン。
嫌な胸騒ぎも、何となく同調するような気がする昨日の“記憶”も、きっと気のせいだったのだ。
そう解釈した私は、早速手元で操作してメールボックスを開いた。
新着メールは、2件。
一通は、友人からだ。
私がこの時間にパソコンを弄ることを知っているから送ってくる、他愛のないメールだ。
内容は『次の時間はの大嫌いな英語だよ』だのなんだの。
ついさっき受信したメールだ。
「携帯でいいじゃん…」
てか、同じ敷地内にいるんだからこんなメールいいのに。
そうは思いながらも、数少ない友人の1人である彼女の行動に、嬉しくなって笑みが零れる。
続いて二通目は―――兄さんからだった。
昨日のことで心配してくれているのかもしれないと、何だか申し訳なくなって、早々に受信メールをクリックする。
きっと小言ばかりが羅列したメールなのだろうと、メールの本文を見た途端、私は思わず顔を顰めてしまった。
『 様』
……ふざけているのか、からかっているのか。
メールの本文は、そう門切られていた。
思わず、兄さんの悪戯かと、その下のつらつらと書き連ねられた文に目を通す。
『突然のメール、申し訳ありません。
初めましてと言うべきなのでしょうが、この場合、私自ら名乗る“探偵”としての、初めましてとなります。
尤も、全て“視えて”しまっている貴女には、二度目ということになりますが』
そこまで読んで、思わず目を見開いた私。
昨日の―――風変りな青年、だ。
肩がビクリと震えたと同時に、自分1人しかいない屋上で、誰も見ていないか気になって辺りをキョロキョロと見渡してしまった。
『前置きはさておき。
貴女がこのメールを確認しているという事は、今は高校での昼休みということでしょう。
まあ、もしかしたら昨日のご様子から、ご自宅で休まれているのかもしれませんが。
そうそう。
さんのアドレスでお送りしたメールですが、決して彼からアドレスを受け取った訳ではないことを、彼の名誉のためにも記しておきます。
とにかく、今回、メールをこのような形で送らせて頂いたのには理由があります。』
中々本題へ進まないメールである。
今は心底驚いてしまってそんなことは気にならないが、兄さんがアドレスを使うことを許したわけではないというのなら、彼―――昨日の青年が、ハッキングでもしかけたのだろう。
(だから、パソコンの電源がついてたのかな……)
そんなことはどうでもいい。
今は、この探偵だと自ら名乗るメールの主の目的を知らなければならない。
『単刀直入に申し上げますと、昨日貴女と顔を合わせ、妙な出会い方をし、正体まで知られてしまった私は、貴女に興味を惹かれました。
さんに粗方の事情はお伺いました。
物と人の“記憶”を視る力―――それを持つという貴女と、是非もう一度お会いしたい。
私自身、自分の“記憶”を読まれたと言われても理解し難いこの現実を、貴女と話すことで確かめさせて頂きたいと思います。
そして、本当に貴女にそのような特殊な力が備わっていて、私の正体を、本名を、個人的な情報を知ってしまったのだとしたら―――』
「『―――私は、貴女に対して何かしらの対処をしなければなりません』……!?」
何を勝手なことを。
そう思って声を荒げはしたものの、昨日視てしまった彼の“記憶”を思い返した。
風変りな、パンダ目の青年。
その正体は、“世界の切り札”、“世紀の名探偵”―――L。
彼が自分に対して簡単に名乗ってきたのは、兄さんの話を“とりあえず”信じて、私が自分のことを知ったと理解した上での行動だろう。
彼が本物の“L”ならば、簡単に人前で正体を明かさない、正体不明の名探偵。
そんな彼が、一庶民の私に正体を知られたとあっては、不安に思うのも無理はないのかもしれない。
そう考えて何とか気を落ち着かせた私は、『最後に』と書かれた文章に目を通す。
『最後に、このような事態になってしまった以上、私は何としても貴女とお話したいと思っています。
ですので、貴女には今日、大半の生徒が下校するだろう午後6時まで、学校に残っていただきたいと思います。
その時刻に校門前で、お1人で待っていて下さい。
こちらから迎えをよこしますので、それに従い、私のいる場所まで来て、お会いすることにしましょう』
半ば強制的な文章にも感じるメール。
その文の最後は『では、お会いできるのを楽しみにしています』と括られていた。
「『お会いできるのを楽しみに』……って、今夜?」
まいった。
本当に、まいった。
ガクリ、と思わず項垂れた私。
もう、乾いた笑いしか出てこなかった。
勝手に家に帰ってしまうという手もあるが、この文面からして、相手はかなり私との対面を所望している様子だ。
今夜を免れたとしても、明日、明後日、と何かしら手は打ってくるはず―――何せ、相手は名探偵。
「……自分のこと話すの、好きじゃないんだけど、な…」
相手が悪かったと、私は複雑な想いを抱きながらも諦めた。
自分が彼に「私は物と人の“記憶”が視える」と説明したところで、彼の疑惑が解消されるとは思えないが、私としてもこのまま中途半端にしておくわけにはいかない。
仕方がないか。
とりあえず、本当に迎えをよこすのかは、午後6時まで待っていれば分かることだ。
相手が来なければ来ないに、越したことはない。
「―――……なんか、食欲無くなっちゃったよ」
傍らに広げておいた弁当箱を横目にチラリと見てそう呟くと、私はメールと閉じようと操作する。
大体、もう昼休みが終わってしまう時間だ。
食べている時間すら、このメールに奪われてしまった。
ふと、メール画面を見る。
ツラツラと並べられた、丁寧ではあるが有無を言わさぬ文章。
その本文の一番下に、追伸が入っていることに気付いた。
何だろう、とその文章に目を通して、私はただ固まることしかできなかった。
『追伸・このメールは読み終った後、内容をよく理解した上で削除して下さい。
その後、お会いした時にパソコンごとこちらで回収し、廃棄させていただきます』
さようなら、マイパソコン。
2年しか付き合えなかったね、なんて。
そんな言葉を、心の中でノートパソコンに投げかけた瞬間、昼休み終了のチャイムが虚しく響いた。
意外と、午後6時まで待つのは退屈だった。
私の通う学校は、毎日6時限まで授業をして、その後に清掃し、下校。
それをすべて済ませて、部活動などの特別な用事がない者以外が帰り始めるのが、午後4時。
私はその、『特別な用事がない者』の1人だ。
部活動には入っていない。
特に興味を惹かれる部活動がなかったというのもあるが、私は人より右腕が少し、不自由で。
元々右利きのはずなのに、そのせいで左手も使えるように練習までした程だ。
そんな腕でできるものなんて、特にないと思ったのだ。
まあ、日常生活にさしたる影響は出ていない―――はずだから、いいけれど。
とにかく。
待つ間2時間、私はひたすら教室でボーッとしていた。
考えていたのは、これから会う人物にどうやって自分のことを説明しようか、ということばかり。
「午後6時に校門前、ね……」
午後6時、2分前。
帰りの身支度を整えて、ノートパソコンの入った鞄を抱えた私は、校門の前にいた。
本当に迎えは来るのだろうか、などと野暮なことは考えていない。
私が毎日のように、“昼休みにパソコンを弄っている”ことまで調べ上げた探偵が相手なのだ。
私がこの高校に通っていることも調べ上げているのだろう。
それに、何だが彼は―――“自分”を知られたのに相手を知らないということを、嫌いそうだ。
校門の前は、そんなに車の通りや人通りが激しい訳ではない。
人が通れば、車が通れば、それが迎えだと分かるだろう。
そうこうしているうちに、携帯電話の時計が18時を示した。
辺りを見渡してそれらしき人影を捜すが、そんな気配はしなかった。
(……やっぱり、悪戯か)
安堵の溜め息なのか、諦めの溜め息なのか。
よく分からない、色々と混ざり合った溜め息を零して、もう少し待とうか駅へ向かおうか迷っていると、不意に、数メートル先に車が止まった。
金持ちのお嬢様やお坊っちゃんが乗るような―――所謂、リムジン。
初めて見た、なんて呟きながらそのリムジンを見つめて、ふと思う。
「……まさか、アレがそう…? いやいや、まさかそんな…あんな目立つ車でお迎えなんて……」
校門の前をウロウロしながらブツブツ呟く私は、さながら不審者だ。
でも、今はそんなことを気にしている余裕など、私にはなかった。
目先のリムジンの運転席から、降りてきたのだ。
見覚えのある―――老紳士が。
「―――どうも。少々遅れてしまいましたかな」
「……へ。あ…えぇぇ…?」
リムジンから出て、真っ直ぐこちらに歩いてきた、意外と長身なその老人は、昨日確かに兄さんの部屋で見た、老紳士だった。
白い髪と鬚を蓄え、ビシッ、と着こなされた黒のスーツ。
“今”は問題ないが、極力目を合わせないように用心して、その老人に向かって首を傾げる。
老紳士は穏やかに微笑んで、慌てる私に言う。
「お待たせして申し訳ありません。 さん、ですよね?」
「……え、あ、はい。そう、ですけど……お迎えって、おじいさん、だったんですか?」
「はい。昨日、“彼”本人以外で貴女にお会いしたのは私だけですし、今のところ“彼”の正体を知るのは、貴女以外では私と さんだけですので」
なるほど。
この人が迎えに来れば、確実に私はついて行くだろうということだろう。
(確かに……ついて行くしかないや)
つまり―――『私はここまで覚悟を決めているのだから、貴女もそれ相応の覚悟をして下さい』ということだ。
「私のことはワタリとお呼び下さい、さん」
「あ、はい。……あの、私もでいいですよ。名字で呼ばれるの、慣れてないんで」
「そうですか? では、そうさせて頂きます。さあ、車の方に」
「……よろしく、お願いします」
人生初乗りとなるリムジンに促されながら、私は老紳士―――ワタリさんに、ペコリと頭を下げた。
車までの短い距離で荷物を持ってくれたり、車のドアを開けて乗車を促してくれたり。
ワタリさんの紳士ぶりには驚いてしまった。
何だか気恥ずかしくなってしまって、乗り込んだリムジンの中では、居心地悪く身を小さくして座っていた。
ワタリさんが運転席へ乗り込んで発車した車の中、ワタリさんの横顔を助手席の後ろに当たる後部座席からジッと眺めて、ふと考える。
昨日、兄さんの部屋に来ていた青年もワタリさんも、日本人とは思えない容姿だ。
英語が大の苦手で、「これからの人生一度たりとも外国人とは関わらないぞ」と意気込んでいた矢先、外国人と触れ合うことになるとは―――しかも、ややこしく。
「あ、あの…・・・ワタリ、さん」
「はい?」
おそるおそる、運転席へ話しかける。
ワタリさんは柔らかい声音で返してくれて、少し、緊張していた体から力が抜けた。
「その……“あの人”は―――L、さんは……私の力を、信じてくれたんですか?」
直接的すぎたかもしれないが、私の不安はそこにしかないので素直に訊ねた。
すると、ワタリさんは変わらぬ口調で応えてくれた。
「全てを信じたわけではありません。まだ、疑いはあるようです―――が、 さんからお聞きした昨日の話は、実に辻褄を合せるものでした」
兄さん、上手く説明してくれてたんだ。
心の中で、兄さんに感謝した。
「しかし、やはり信じ難い」
「! ……そう、ですよね」
「それを確かめるために、貴女とお話しなさるんですよ、Lは」
ご尤もです。
そう思いながら、私は何となく苦笑した。
もしかしたら、この力を信じてくれる人が―――理解してくれる人ができるかな、なんて期待した私は、とんだ馬鹿者だ。
あの兄さんだって、理解するまで時間がかかったのだから。
そう考えたら、不安が増してきた。
信じてもらえなかったら、私は『ただの頭がおかしな女』になってしまう。
そんなのは、嫌だ。
でも、どうやって信じてもらえばいいのか、分からない。
「―――大丈夫ですよ」
「!」
そんな私の心を見透かしたかのように、ワタリさんが穏やかに言った。
視線は相変わらず前を向いていて、車を前進させている。
「Lは、貴女を悪いように扱うつもりは、ありませんよ」
それに、とワタリさんは繋げた。
「事件以外でLが興味を……しかも、女性に興味を示すことは、とても珍しいことなのですよ」
「……へ?」
「初めてです。Lが自ら女性に興味を抱くなんて」
確かに、女の人とかに興味なさそうですよね…って、違う違う!
「ど、どういう意味ですか、それ…」
「さあ、どういう意味でしょうか」
ほっほっほっ、と愉快気に笑うワタリさん。
私はただただ言葉を失くして、呆然としてしまった。
まあ、興味があるのは私の能力だろうが―――なんて、誤解を招く言葉だろう。
何だかバツが悪くて、私は顔を窓の外へ向けて逸らした。
外はもう真っ暗だった。
学校を出た時、すでに日は沈んでいたから、もう大分陽が短くなってきている。
(……マフラーとか、探しとこ)
そんな他愛のないことを考えながら、たまにワタリさんと会話しながら、車は都心を進んでいった。
3、40分走らせたかというところで、ワタリさんの運転しているリムジンは、停まった。
「着きましたよ、さん」
「……?」
車が停められたのは、都内の高級ホテルの目前だった。
ワタリさんが運転席から一度降りてきてドアを開けてくれたので、私は慌てて荷物を抱えて車を降りる。
ただただ茫然と、目の前に聳え立つ高級ホテルを見上げている私に「車を駐車してきますので、中でお待ち下さい」と言って、ワタリさんは車で駐車場へと走っていってしまった。
……ちょっと待って。
置いて行かないで下さい。
そんな私の言葉が届くわけもなく。
冷たく刺さる風から逃れるために、気は進まないもののホテルの中へと私は足を進めた。
「うっわぁ……」
ホテルの入り口を潜り抜けた瞬間、思わず声が漏れた。
まさに、高級ホテル。
私には到底手の届かない、いや、泊まる気すら起きないホテルだ(兄さんは使っているかもしれないが)。
シャンデリア、立派な大理石のロビー、革張りのソファーに煌びやかな装飾と花。
何だか、目がチカチカしてくる光景だ。
「―――さん」
「……!」
忙しなく辺りを観察していた私の背後から、不意に声がした。
私はクルリと踵を返して、声の主―――ワタリさんを見る。
「お待たせしました」
「……いえ、全く。驚いてる間にワタリさん来ましたから…」
「そうですか。では、参りましょうか」
ワタリさんは落ち着きのない私にニッコリと笑うと、私の手荷物をスッと横から攫って、歩き出した。
カッコイイなー。
外国の男の人って、皆こうして、自然とエスコートしてくれるのかな。
制服姿の私が老人と歩いているのはかなり目立って、他の宿泊客の視線が痛かったが、気にしないように私はワタリさんに小声で聞く。
「あの、本当にここに泊まってるんですか? Lさんって…」
「はい。最上階のスイートに」
「……す、スイート…」
一対一で話をする以前に、金銭感覚のあまりの違いから「きっと気が合わないだろうな」なんて考えてしまう私。
そんな私を気にすることなく、ワタリさんはスタスタと慣れた足取りでホテル内を進んでいく。
(―――……今日中に帰れるの、かな)
一抹の、いや、大きな不安を抱えたまま、私は世界の名探偵・Lとの対面を迎えることとなる。
パソコン越しの、未知とのご対面。
(次は真正面から)
アトガキ。
*ヒロイン、Lに根掘り葉掘り調べられる。どうやって調べたかは…企業秘密らしいです。
*ヒロインの通っている学校は私立の金持ちが通うような名門学校で、そこそこレベルの高いところ。自分で学費を払いたいけれど払う当てがないので、今は同居人さんが払ってます。
次はいよいよLとの再会!
*2009/11/11 加筆修正・再UP。
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