日常急カーブ!    01

「ちわーッス!!」
「……ッス」
「……」


とうとうやってきました、青春学園男子テニス部部室。

桃城武君―――改め、桃君に米俵の如く担ぎ上げられたまま校内を歩き回るという羞恥プレイを経て、若干心が強くなった私だが、桃君と薫ちゃんの喧騒に挟まれて心底疲れ果てていた(まだ始まってもいないのに)。

そんな状態でグッタリとしている私とは裏腹に、高らかに挨拶をして部室へと足を踏み入れる桃君。
薫ちゃんは仏頂面のまま無愛想に挨拶して、桃君の後ろに続く。


「やあ、桃城。ご苦労様。……海堂も一緒だったか」
「途中で偶然会っただけッスよ」


そんな桃君にいち早く声をかけたのは、言わずもがな例の逆光眼鏡。
桃君に担がれたままでいる私の目の前まで回ってくると、遥か頭上(と言っても、いつもより私の視線は上なのだが)から私を見降ろしてきた。


「桃城、もう下していいぞ」
「へーい……っと」


私が、この部室までの道すがらどんなに頼み込んでも下してくれなかった桃君が、忌々しきその眼鏡(酷い)の一言で、簡単に私を地へ下す。
久々に地へ足をつけたような妙な感覚がして、少し足元をふらつかせると、それを支えるかのように―――否、逃がさないとでも言うように、元凶の彼が私の両肩をガシリと掴む。


「いらっしゃい、
「……私は来たくなかったんですけどね―――貞治君」


目の前の長身な人物の名前を呼ぶと、部室内が一瞬にして、しん、と静まり返る。
きっと私が彼を名前で呼んだことに驚いているのだろう。
その証拠に、着替え途中である桃君と薫ちゃんの動きが、ビタッ、と停止して、見てはいけないものでも見てしまったかのような顔でこちらを凝視してきた(そんな変な呼び方なんてしてないんだけど)。


「……久々に呼ばれたな」
「あっ……今は学校だし、『乾先輩』の方がいい、のかな…」
「ああ、そうしてくれると助かる。俺は別に構わないが……他の奴らがな」


逆光眼鏡―――もとい、貞治君の言葉で、何となく部室内を見渡してみる。
そこには、視界に入っていた桃君と薫ちゃんの他に、青と白が印象的なジャージを身につけたまま椅子に腰かけ、呆然と私と貞治君を見つめている人が2人。

1人は、爽やかな印象を受ける顔付きの、何とも表現しづらい髪型をした人。
そして、もう1人は本当に中学生なのか疑いたくなるような厳格な顔付きの、眼鏡をかけた人。

1つの長机を挟むようにして置かれている4つの椅子のうち、隣合わせる2つの椅子を埋めるように座わるその人達は、桃君と薫ちゃんと同じように驚いたような表情で、ただただ固まっている。


「お前が何の前触れもなく俺を『貞治君』と呼んだ事に、どう反応していいか分からないようだ」
「ああ、すいません。昔の癖で…」


極力気をつけます……学校では。

そう続けると、視線の先にいたジャージの2人はハッと我に返った様子で。
椅子からガタガタと立ち上がると、変わった髪型の人がニッコリと優しく笑った。


「いや、いいんだよ。話には聞いていたけど思っていたより親しげだったものだから……少し驚いただけだよ」


気にしないで、と言うその人は、とても人好きのする笑顔を浮かべていた。
それを見て、「ああ、やっとまともに話を聞いてくれそうな人が…」と安堵する私。

そうこうしていると、後ろから背を押されて、私はジャージ姿の御二人の向い側へ追いやられ、椅子に座るよう、貞治君に促された。

そういえば、あまりの憤りに気付いていなかったが、貞治君も、桃君と薫ちゃんも、他の2人と同じジャージを身に付けている。
ジーッと貞治君の青と白を基調としたジャージの胸元に付いている『SEIGAKU』のロゴを見つめていると、頭の上から声が降ってきた。


「これは青学男子テニス部のレギュラージャージだ」


……どうやら、考えを読み取られていたらしい。

へー、と感心したように声を漏らした後、私は何となく呟く。


「じゃあ、皆さんテニスお強いんですね」
「おう! 強ェ強ェ!」


当たり前のことを呟いてみると、着替えを終えてラケット片手にコートへ繰り出そうとしていた桃君がニカッと笑って応えてくれた。
そんな時、私の向かい側に座り直した、厳格そうな眼鏡の人が桃君をチラリと一睨みしたのが見えて、桃君はそれに気付くと、薫ちゃんと共に慌てて部室から駆け出していった。


「―――さて、じゃあまずは自己紹介からしていくか」
「!」


桃君と薫ちゃんの慌て具合が気になって首を傾げていると、私の隣に腰掛けた貞治君がそう切り出した。
どうやら、やっとこの部室へ強制連行させられた理由というか本題に入ってくれるらしい。


「俺は今更自己紹介することもないが……した方がいいか?」
「いえ、結構です。間に合ってます、充分すぎるほど」


どこかわざとらしいその言い方にムスッとして答えると、貞治君はニヤリと嫌な笑みを浮かべてから向かい側に座る2人に話を促した。

昔はこんな意地の悪い性格じゃなかった気がする…―――いや、こんなもんだったかな(どっちだよ)。


「じゃあ、俺から。3年の大石秀一郎です。一応このテニス部の副部長をやってるよ。よろしく」
「あ……はい、よろしくお願いします」


人好きのする笑顔、変わった髪型が印象的なその人―――大石先輩は、笑顔のまま言った。
私は思わず背筋を伸ばして、ペコリと頭を下げる。


「同じく3年の手塚国光だ。テニス部の部長をしている」
「……ぶ、部長さん、だったんですか…」
「…………よろしく頼む」


貞治君と同じジャージを身に付けている時点で、先生(一瞬考えた)ではなく生徒だろうとは思っていたけれど。
まさか部長さんだったとは…。

キリッとした目付きに整った綺麗な顔で、でも無表情で自己紹介してきた部長さん―――手塚先輩に、「よろしくお願いします」と頭を下げながら思う。

つまり、私の目の前には、天下の青学男子テニス部の2トップが座っているわけで。
頭の中で改めて確認した私は、今更緊張から身体を強張らせた。


、お前も自己紹介したらどうだ?」
「……え、あ、はい!」


スッ、と背筋を伸ばしてボーッと大石先輩と手塚先輩を見つめていたら、隣から貞治君に肘で小突かれた私。
ボーッとしていた私は、ハッ、と我に返って口を開く。


「えと……28組のです。隣のデータオタク眼鏡さんとは幼馴染み、みたいな感じです。何でここにいるのか分からないんですけど……よろしくお願いします」


目の前の机に気をつけながら、出来る限り深く頭を下げて嫌味を込めた自己紹介をすると、目の前の2人の顔が若干引き攣ったように見えた。
隣から妙に痛々しい視線が刺さってきている気がするが、それは完全に無視することにした(私なりの報復である)。

すると、目の前で腕組みをして据わっている手塚先輩が1つ咳払いをして、慌てたように大石先輩から話が切り出される。


「えーと、さん……でいいかな? 俺達も詳しい話は聞いてないんだが、乾と顧問の竜崎先生の推薦があってね。さんさえよければ、うちの部のマネージメントを頼もうかと思って」
「元々マネージャーは取っていなかったんだが、それを定評していた竜崎先生からの推薦だ。俺達にも異論はない」


大石先輩に補足するかのように続ける手塚先輩。
腕組みをしてこちらを見てくるその目からは、感情が幾分読み取りづらいが、編入して日の浅い人間がマネージャーになっても、別段支障は感じないようであるが―――それを、特別良く思っているわけでもなさそうだった。

どうやら、私の知らないところで『をマネージャーに』という話が、予想以上に進んでしまっていたようだ。
あまりにすらすらと進む展開に疑念を抱いた私はしばし口を閉ざした後、小さく零すように、目の前の先輩2人に訊ねた。


「竜崎って……竜崎スミレ先生、ですか?」
「……そうだが」
「ッ……!」


竜崎スミレ―――。
その名前には、聞き覚えがあり過ぎた。

私は目の前に置かれた入部届を慌てて手に取り、紙の隅から隅まで目を走らせる。
それを先輩達が不思議そうに見ている中、横に憮然と腰掛けている男だけは、余裕の表情で眼鏡を押し上げていた。

私の思い描いた人物が、この部活の顧問であるならば。
この、突然のマネージャー勧誘の裏には―――“奴”が関わっている。


「……ッ、やられた……!」
「「!」」


私達4人しかいない部室の中、私の焦ったような声と、乱暴に押し出されたパイプ椅子の音が響く。
手塚先輩と大石先輩は、突然立ち上がって声を荒げた私に驚いているようだが、そんなことを気にしている余裕は、私にはなかった。

入部届。
その、保護者の了承印を押す場所に、はっきりくっきりと、朱色のインクで捺してあったのだ。




―――小さな円の中で歪む、“円城寺”の文字が。




「……
「貞治君、兄さんに頼んだの?」


保護者印の場所には紛れもなく、私の現保護者で同居人である遠縁・円城寺の印が捺されていた。
珍しく驚いて少し取り乱している私を宥めるように、隣から貞治君が呼んでくる。
そんな貞治君の落ち付き様から、私は彼を問い詰めた。

だって、こんな。
まさか、兄さんに話を通しているなんて。


「……先手必勝」
「ッ……!?」


この野郎……ッ!!

ニヤリと、口角を上げて憎らしげに笑った貞治君。
私は思わず叫びそうになって、慌てて口を押さえ、貞治君を睨みつけた。

昔から従兄と一緒に、人(主に私)の考えやら行動やらを先読みして振り回されてきたが、ここまでするとは思わなかった。

今ほど、この男に殺意を覚えたことはない。


「〜〜〜ッ! ……昔から意地悪だったけど―――昔以上に性格悪くなったよね、貞治君」


フフフフフ、と不気味な笑みを零す貞治君に、手塚先輩と大石先輩と共に顔を引き攣らせ、思わず手の中にある入部届という名の紙切れを跡形もなく引き裂こうかと考えた。
だが、どうせ彼のことだ、「スペアだ」とか言ってまだ何枚も、この“円城寺”の印の捺された紙を持っているに違いない。
そういう考えに至った私は、入部届という名の紙切れに添えていた指先を、おずおずと離した。

私は自分を落ち着かせるように重い溜め息を漏らすと、心の中でどうやって兄さんに復讐してやろうかと考えながら、貞治君に言った。
そんな私の腕を引いて椅子に座らせた彼は、またクイッと眼鏡を押し上げながら言う。


「失敬だな。俺はただ竜崎先生がさんと知り合いだと分かったから、竜崎先生に『さんに保護者印を頂いては』と助言したまでだ」


座ったことにより再度視線が下がった私を見下ろして、「そう言うお前こそ、随分と表情が読み取りやすくなったじゃないか」と嫌味なのか何なのか分からない言葉を続ける。

何が言いたいんだ、この人は。
「暫く見ない間にからかい易くなったな」とでも言いたいのか。


「……乾」


そんな、険悪なのだかそうじゃないのかよく分からない空気を醸し出していた私と貞治君の間に、今まで茫然と事の成り行きを見守っていた手塚先輩が入り込んできた。
静かだが圧倒される様な威圧感のあるその低い声色に、私はハッとなって姿勢を正す。


「何だ? 手塚」
「話がよく見えない上に、一向に進まないのだが」
「すまない。つい昔の癖でね……悪ふざけしすぎた」
「……」


悪ふざけにも程があるだろうに。

そう言いそうになったが、もう彼に何を言っても無駄だと悟り、私は手にしていた入部届を机の上に戻す。


「すみません、手塚先輩、大石先輩。私が……簡単に説明しますから」
「え?」
「……」


まだ状況を理解できていないらしい2人を前に、私は少し苦笑した。
それを見て面を食らったような顔をしている手塚先輩と大石先輩だったが、とりあえず、私は順を追って2人に説明していく。

私と貞治君が幼馴染であることはもう言ったので、私が諸事情により父方の遠縁と暮らしている為、その人が保護者なのだという事。
その遠縁・円城寺は青春学園出身で、男子テニス部OBのテニスプレーヤーだという事。
そして、その兄さんは私の従兄とも、その幼馴染である貞治君とも顔見知りで―――当然、竜崎先生とも顔見知りであり、繋がりがあるという事。

それを受け、私も竜崎先生とは多少、繋がりがあるという事。


「……か、顔が広い方なんだね、その円城寺さんって」


とりあえずそこまで説明すると、何となく話が読めてきたのか、大石先輩が困ったように笑みを浮かべて言ってきた。
私もそれに苦笑するか顔を引き攣らせるかしか、返すことができない。

それに、今話した以上に兄さんの顔は広いのだ。
まだまだ私の知らないところで、彼はその人脈を広げているのだ―――恐ろしいくらいに(考えるのも憚れるほどに)。


「職業柄……というか、私の世話を焼かなくて済む時なんかは、遠征してテニスのコーチをしたりするんです。性格も、掴めない人だけど人懐っこいので…」
「……そうか」


私はそこまで説明すると、ふー、と息を吐いた。

ここまで一気に話したのは、生まれて初めてだと思う。
あまり自分のことや自分の周囲のことについて話す機会はないし、別に自分から好んで話そうとも思わないので、何だか不思議な感覚がした。


「大体の話は分かった。つまり、竜崎先生の教え子であるその人の親戚の君は、今までマネージャーを取らなかった竜崎先生にとって最も信頼のおける人物だ、と」
「そして、乾と竜崎先生の推薦でマネージャーを頼もうと、先に話を通して保護者の印を貰って来た…」


今までの話をまとめるような形で、大石先輩と手塚先輩が言う。
2人の顔を窺ってみると、私がこの部室へやってきた時より幾分、納得したような顔をしていた。


「……保護者の了承を得ることは重要だが、最終的に決めるのは―――だ」


ふと、手塚先輩が小さく呟くように言った。
私は視線を目の前に向けて、真っ直ぐと手塚先輩を見る。


「俺達が頼み込んで無理矢理マネージャーにしたところで、仕事に集中出来るとは思えない。少し考える時間をやったらどうだ? 乾」
「うむ…」


入部届の空欄になっている部分は、私の学年・クラス・名前を書き込む欄のみ。
そこに名前を書き込めば、私は晴れてこの男子テニス部のマネージャーとなるわけなのだが―――。

私が未だ決心出来ずに燻っていることを察してくれたのか、手塚先輩が貞治君に言った。
流石の貞治君も手塚先輩の言葉を正論と取ったらしく、少し考える素振りを見せる。


「テニス部OBの同居人という理由だけで、竜崎先生が彼女を推したとは考えにくい。きっと何か“特別なこと”でも彼女にあるのだろう。それならば、尚更彼女自ら入部届に署名してもらうべきだ」
「―――!」


手塚先輩の言葉に、思わず目を見開いた。
“特別なこと”という事が何を指しているのかは分からないが、私にその心当たりは、1つしかない。

他人とは違う、私の―――。


「……そうだな。手塚の言うとおりだ」


コクリと頷いた貞治君と、顧問の竜崎先生と、兄さん。
この3人は、それを知っているのか。

だから、「女子テニス部に入ればいい」ではなく、「男子テニス部のマネージャーになれ」なのか。

ここまで話が進んできて、やっと、私は自分の置かれている状況を理解した。
おそらく、兄さんが竜崎先生と貞治君に話していたのだ。




私の、他人との間にある決定的な―――“違い”を。




「なら、今日はとりあえず返事を保留にして、さんに部活の見学でもしてもらったらどうかな」
「……」


手塚先輩の言葉によって話がまとまりつつある中、不意に、大石先輩が立ち上がって提案してきた。
思考に耽っていた私は一気に現実へと引き戻され、慌てて先輩達の声に耳を傾ける。


「俺達の練習風景を見ていたら、何かしら心境が変わるかもしれない。ここでこうしてじっと座って話し合っているよりはいいと思うんだ」
「……そうだな。いつまでも部長・副部長の2人を、練習に出さないわけにもいかないしな」


部員達の士気が上がらない。

そう続ける貞治君に、私は何だか申し訳ない気持ちになってきていた。

それもそうだ。
1人の為に、部活を仕切らなければいけない立場にいる部長と副部長を構わせるわけにはいかない。

大体、貞治君だって先輩2人だって、レギュラーだと言うじゃないか。
それならば、練習だってしたいだろうに……。


「……あの」


これ以上迷惑はかけられない。
この話し合いに入って、かれこれ30分は経過しているはずだ。

私は意を決し、先輩達に向かって口を開く。


「あの…―――部活の見学、させて下さい」
「「!」」
…」
「編入してそんなに経ってないし、いきなり『マネージャーになれ』って言われて少し混乱して……本当はすぐに断ろうって思ってたけど……少し、考えたくなりました」


思いも寄らない言葉だったのか、貞治君は驚いているようだった。
それもそうだろう。
自分が無理矢理連れてきて、強制的にマネージャーにしようと画策していたようなものなのだから。

まあ、私の今の想いだけでは決め兼ねることだけれど。


「もしかしたら今の考えが、変わるかもしれないから」


彼らの練習を見て、もしかしたら。
私の中で何かが、変わってくれるかもしれない。

それを狙って、きっと兄さんは私をこの青学へ編入させてくれたのだろう。
竜崎先生も、私のことを気にかけてくれている。
貞治君にいたっては、少し強引ではあるけれど、私の心配をしてくれている。




少しでも私を―――テニスに近い場所に立たせようとしてくれている。




「こういうことは初めてだから、どうなるか自分でも分からないけど……練習、拝見させて下さい」


椅子からしっかりと腰を上げて、入部届は丁寧に折り畳んで。
私は真っ直ぐに、目の前の3人を見た。


「……そうか。そう言うなら、俺が案内しよう」


一瞬驚いたように私を見降ろした3人だったけれど、私の言葉を素直に受け取ってくれたのか、手塚先輩も立ち上がって言う。
貞治君と大石先輩は「そういうことなら」と、私を手塚先輩に任せ、先にラケットを手にして部室を出て行った。


「……」


手塚先輩もラケットを持っていくのか、準備している。
その隙に、私は一度入部届に視線を落として、それを制服のスカートのポケットに捩じ込んだ。

そこでようやく、私は自分がセーラー服姿だったことに気付いた。

……桃君に運ばれてた時、スカートの中見えてなかったかな。
まあ、私のなんて誰も見たくないだろうし……下に短パン、ちゃんと穿いてるしいいけど。

そんな今更になってどうでもいいことを考えて、ゆっくりと顔を上げる。


「―――行くぞ、
「! ……はい」


ラケットを握って私を待っていた手塚先輩へ申し訳なさそうに笑って、私は『SEIGAKU』と描かれた背中のロゴを見つめながら部室を後にした。

ラケットとボールの弾む、心地良くさえ感じる音に、胸を微かに弾ませながら。








出逢って、交わして、変わるもの。

(私は変化を望んでる)










アトガキ。

*少しずつ少しずつ、気持ちを動かし始めるヒロイン。そんなヒロインの抱える”何か”に気付いた手塚。
 
*やっとこさキャラクターが出せたと思ったら、全員は出せなかった…(泣)おそらくあと2、3話で青学メンバー全員が出せるかと思われます。
 それにしても……出会い編が思いの外長くなってしまった…。




*2010年5月25日 加筆修正・再UP。